今月の研修テーマは、
『幼児期と学童期のコンサルテーションについて』でした。
コンサルテーションとは、
企業や組織が抱える課題や問題解決に向けて、
専門的な助言や提案を行なっていくことを示します。
以下に、大切なポイントをまとめてみました。
幼児期
まず最初に、大切にしたいことは、
毎日、子どもたちと向き合ってくれている
先生方をリスペクトすること!
そこを押さえた上で、具体的な
ヒントやアイデアを伝えていく事を忘れてはいけません。
コンサルしている現場に対して、
実践している内容は以下の通りです。
・発達の理解(基礎的な知識)
・保育環境の設定(遊びの環境設定)
・クラス運営の助言
・子どもに合わせた支援と工夫の実践の振り返り
・保護者支援について
・園内研修(園全体での共通理解と実践)
・発達支援者の知識を深め人材を育てる
訪問する園に対して、午前中に観察、午後から
話し合いやフィードバックを行なっているそうです。
<子どもの相談については>
→行動の理由を正しく理解してもらうこと
→現場の先生方の評価や見立てを参考にしつつ、
理論的な裏付けを行い、言語化していく事です。
その際に、重要な考え方が氷山モデルです。
子どものことを理解しようとする時に
目に見える言動や行動だけに焦点を当てても
改善は見えづらいものです。
水面下に隠れている要因に注目し、
様々な発達レベルや発達特性
天気や体調などの環境要因etcから
本人が不安・ストレスを感じていないかを
探る事が大事になります。
海の下に隠れているのは
① 五感の敏感さ
② 2覚(固有覚と前庭覚)の感じにくさと感覚欲求
③ 記憶の視点
④ 思考の柔軟性
⑤ 覚醒レベル
⑥ 理解力などです
以上のポイントに着目して、対応策を考えることで
困りが軽減されやすいと言われます。
その他にも、具体的にそれぞれの困りに関する
対応策をご紹介頂きました。
Q、じっとできないのは、なぜ?
→感覚の偏りが考えられるので、本人が座りやすい突起物や座面を工夫してみる
Q、着替えが進まない原因その1は?
→手順を記憶しておくのが苦手なので、分かりやすい位置に手順のイラストを準備する
Q、着替え絵が進まない原因その2は?
→周りに気が散って集中できない時は、パーテーションを用いる
Q、着替えの動作が難しいのか?
→つまんで引っ張るなど遊びを取り入れる
Q、片付けが進まないのは?
→片付けが面倒臭いではなく、楽しい方法に変換する
例)片付け袋に、口のようにして、片付けと言わず餌やりと伝える
Q、お友達の物を、奪わずにすむ方法は?
→自分の玩具とお友達の玩具の区別がつきやすいように、カゴを準備するetc
*幼児期は、遊び込める環境を工夫することで
トラブルも減り、子どもの成長を促します。
子どもに「変わってください!」ではなく、
我々大人の工夫によって、
過ごしやすい空間を確保してあげたいと思いました。
学童期
学校現場でも大切にしていることは、
”子どもの通訳者となること”
座れないから、座れるようにする
というわけではない。
「子どもがどうして、座れないのか?」
子どもがどこに困りがあるのか?を
把握して、伝えるように徹する。
ズルでもなく、怠けているのでもなく
発達の特性から生じているものであることを
説明する。
「学校に登校できるようにして欲しい」
という相談もくるが、
「学校に登校する事を、目的としていない」
子どもを知るチャンスとして、
問い詰める事なく
心理的安全性を保ちながら
一緒に考えるメンタルコーチとして
サポートして欲しい。
本人が心理的安全性を保ち
過ごせる場所・学べる場所を
考え紹介することもある。
ポイントは、
「君は、何に困ってる?」
「君は、どうしたい?」
「先生には、何ができる?」
先生というより、支援者としての
在り方を大切にして欲しい。
(全員がそうではないが…)
教員の先生方は、35人1人対応なので
「他の子どもと異なることは、ズルい。」
「頑張れば、少しずつできる!」という
思いこみを持ちやすいです。
ADHDやASDや知的な遅れなど
複数の特性を併せ持つの子どもは
実は、辛い状況でもある。
評価も含め、保護者の願い
や発達特性を伝え、
先生方に、子どもを理解して欲しいことを伝えるようにしている。
さいごに
藤原里美先生のマインドは
「子どもを1ミリも変えない」です。
「あなたは、◯◯ができないから、
できるように頑張りなさい!」のスタンスで
関わると、子どもたちは、
様々な方法で抵抗してきます。
藤原先生が、そのように振り切って
伝えるようになったのは、
自己肯定感を下げる関わりを減らし
2次障害を予防する為です。
ありのままのあなたでも良いけれど、
私たちと関わると、お得だよ!
私たちと関わると、楽しいよ!
穏やかでいられるよ!
そんな関わりを続けていく中で、
子どもたちは、自然に成長していく姿を
見せてくれるのだと胸を張って言われます。
心理カウンセラーの野口嘉則先生も、
うまくできない時こそ、
その状態を否定せずに気づいて
認めて受け入れることの大切さを
言われます。
うまくいかない事がたくさんあるかと思いますが、
どんな子どもたちでも、
「あなたは、本当はどうしたい?」を
思いながら、支援できたらと思いました。
今日も、最後までお読み頂き
ありがとうございました。
〜こみゅばんばん〜
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