『感覚統合遊び』のご紹介

感覚統合遊び 本の紹介

 感覚統合とは、米国の作業療法士であるエアーズ博士が、脳における感覚情報の統合理論をまとめたものです。子どもの発達・行動・学習を支援する上で大切な視点やヒントを与えてくれます。
脳が発達する大前提として、子どもも大人も「楽しい活動」「ちょうど良いチャレンジとなる活動」に取り組み「成功した時の達成感」を得られる事が重要だと言われています。

大切な3原則

①「感覚は脳の栄養素である」
②「感覚入力には、交通整理が必要である」
③「感覚統合は、積み木を積み上げるように発達する

感覚について(五感と二覚)

 五感と言われる視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚は馴染み深い感覚ですが、これら以外にも重力を含めた加速度を感じたり、身体の傾きや動きを感じる前庭覚、筋肉や関節の状態を感じる固有受容覚など、意識にのぼらない感覚もあります。脳にとって、感覚は重要な栄養素です。エアーズ博士は、これらの感覚の中でも触覚・前庭覚・固有受容覚を重要視しています

●触覚:触ったり触られたりすることを感じる感覚で、皮膚を通して感じる事ができます。触覚の主な役割は①情緒を安定する、②防衛する、③識別する、④身体の地図を把握するという4つがあります。

●前庭覚:自分の体の傾きやスピード、回転を感じる感覚です。受容器は耳の奥にある、耳石器と三半規管です。前庭覚の役割は、①感覚を調整する、②重力に対して姿勢を保つ、③バランスをとる、④眼球運動をサポートする、⑤身体の機能を把握するという5つがあります。

●固有受容覚:自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚で、筋肉や関節の中に受容器があります。固有受容覚の主な役割は、①力の加減をする、②運動をコントロールする、③重力に抗して姿勢を保つ、④バランスをとる、⑤情緒を安定させる、⑥身体の地図を把握する、⑦体の機能を把握するという7つです。

感覚の感じ方

感覚過敏:刺激に対して反応しやすい為、注意散漫な状態や、衝動的で攻撃的に見える傾向がある。

感覚回避:刺激に対して反応しやすく、怖がったり過度に用心深い傾向にある。不安になりやすく、静かな場所や1人でいることを好む傾向にある。

感覚探求:足りない感覚刺激を補おうと、多量の感覚刺激を取り入れようとするので、衝動的でリスクの高い行動を取りやすい。

低反応:感覚刺激が脳に届きにくいため、覚醒が低くぼんやりしやすい。気付きにくく、集中の持続がしづらい。表情が乏しく見えやすい。

感覚統合の発達

 「感覚統合はピラミッドのように発達する」と言われています。底辺には、視覚・前庭覚・固有受容覚・触覚・聴覚の5つが礎があります。その上には、姿勢・眼球運動を担うバランスや目の使い方などがあります。さらに上には巧緻動作や言葉などを司る積み木の要素があり、やはり高次な機能となるほど、上位にあります。はじめから手先や言葉ありきでなく、しっかり身体を使って感覚刺激を入れていく必要があります。

 こども達の発達の為に参考となる遊びが、ポイントや写真も添えられていてわかりやすく紹介されています。これ以上に詳細を知りたい方は、参考書籍「乳幼児期の感覚統合遊び」や感覚統合遊びサイト「カンカクラボ」を参考にされてみてください。私も中川信子先生お勧めの感覚統合について、学び直していきたいと思います!

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