「私たちは子どもに何ができるのか」(ポール・タフ著/高山真由美[訳]駒崎弘樹)
この本には発達を促すヒントがありました。私たち親が気をつけるべきは「慢性的な低刺激」です。ママやパパが相手をせずとも、ゲームやスマホにタブレットなど、現代には子どもがかじりつくツールがありふれています。慢性的な低刺激が継続することで、発達にも悪影響を及ぼしてしまうのです。本ではジャマイカの貧困地域で発達の遅れを示した2グループへの対応とその結果が紹介されていました。Aグループには、定期的に十分な栄養補助食品を与え、Bグループには「子どもとしっかり遊ぶ時間をとるように」と定期的に研究者の助言が与えられました。この介入は2年で終了したようですが、結果的に子どもの人生に大きな変化をもたらしたのはBの「もっと子どもと遊ぶように指導した」グループでした。
ことばの遅れや発達が心配でどうにかしたいと思われている保護者さんに、まずお伝えしたいのは「時間の許す限り、ふれあい遊びや読み聞かせ、外遊びや制作などなど、子どもと向き合ってたくさん遊んでほしい」ということです。スマホやタブレットなどを禁止というわけではありませんが、使用限度がわからない子どもに与えて放置となると、やはり「発達」が心配です。以前より「ことばの遅れ」を心配され言語相談に来られたお母様にも、ご家庭での直接的な遊びの介入をお伝えしたところ、「母親を求めてくれるようになりました!」「ことばが増えてきました!」と喜びのコメントを頂くことがほとんどでしたので、間違いないと思います。大好きなママ・パパなど保護者の方々の笑顔での関わりは子どもの発達を促す大切なポイントです。是非ともたくさん触れ合って一緒にいろいろな体験を増やしましょう。ただし、独特な発達特性をお持ちのお子さんを子育てされる際には、ママ・パパなどご家族にストレスがかかり過ぎる場合があるので、その際はメンタルが保てるように相談できる医療福祉機関の受診をおすすめします。安心して話せる相手が居ることは重要ですから。
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