『場面緘黙について』

場面緘黙とは 学び

 今回は「場面緘黙について」ご相談頂くことがありましたので、書籍やブログ・動画などから学んだ情報をアップしてみました。今回、参考にさせて頂いた書籍は「場面緘黙 支援の最前線」(学苑社)「私はかんもくガール」(合同出版)、かんもくネット、YouTube「場面緘黙の理解と対応入門」です。

 「場面緘黙」とは、自宅では普通に話せるのに、幼稚園や学校など所属するコミュニティで思うように話せないことが(目安は1ヶ月以上)続く症状をいいます。要は、話さないのではなく、話せないのです!それぞれの立場によって少しずつ解釈が異なっています。医学的には、DSM-5で「不安症」のグループに分類されていて、法令上では「発達障害」に該当し、学校教育では「情緒障害」に分類されるということでした。要するに、「場面緘黙は、不安症であり、発達障害であり、情緒障害でもある」ということが言えるようです。緘黙である当事者の声に耳を傾けると、本人は困っている事も多いようです。本当は、自宅と同じように、お友達や先生たちと話したいけど、なぜか不安でいっぱいとなり、何も言えなくなる。教員や先生からは、イエス・ノーや身振りなど何らかの方法で、応答してくれるお子さんが多いので、「大丈夫かな?いずれ話すようになってくれるかな?」と勘違いされやすいのだとか。支援や配慮ばかりが優先され、治療的介入が行われないこともあるようです。「話せなくても困らない環境」だけだと、緘黙症状を長期化させることになりかねないという懸念を長野大学の高木潤野先生は語られています。

 そんな「場面緘黙」のお子さんに対する治療・アプローチもお子さん自身が、困り感があって、積極的に改善したいというお気持ちがある場合は、心理士や言語聴覚士とともに、細かく目標だてを行いアプローチが進められているようです。ただし、場面緘黙以外にASD(自閉スペクトラム症)や軽度の知的障害などの併存を確認されることもあるようで、その為にも「ことばの遅れはないのか?」「感覚的な過敏さは?」などのアセスメントの必要性が言われています。詳しいアプローチの方法は今回ご紹介した書籍等に記されていますので、ご興味・関心のあられる方は、参考にされてみてください。

 当事者のお子さんもさることながら、場面緘黙のお子さんを抱える保護者さんも、想像以上にストレスを抱えやすくあります。思うように、外でお話をしてくれない我が子にイライラして怒鳴ってしまったと反省される保護者の方のお話を何度かお聞きしたことがあります。そのような面からも、当事者である本人が意図的に話さないということではなく、話せないという困りを共有して頂くことの大切さを実感しています。

場面緘黙について、久しぶりに情報をバージョンアップできました。また、疑問・関心のある分野が出て来たら随時調べて更新していこうと思います。

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