「少子化時代・子どもを伸ばす子育て/苦しめる子育て」のご紹介

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■母子関係が密接になり過ぎると、子どもの人と関わる力が育ちにくい
 2018年の合計特殊出生率(1人の女性が平均して一生の間に何人の子どもを産むのかという指標)は「1.42」でした。2030年推計では、0〜14歳までの年少人口割合10.3%であるのに対し、65歳以上の老齢人口割合は31.6%になるとされています。日本ではますます、少子高齢化が進むことが予測されています。一人っ子が増え、いとこや親戚の付き合いも減少傾向にあります。不登校児に関わる小児科医は「なるべく、おじさん、おばさんや仲良しの友達の家に行って泊まったり、いとこと一緒に過ごしたりする体験をさせて欲しい。子どもが質の違う人と係わる学習の上で大切な体験になる」と語られています。家族ではないが、全くの他人でもない。ちょっと遠慮があって、ちょっと親しい。いつもとはちょっと違う経験をすることも発達には必要なのだそうです。
 少子化により生育環境で大きく変わったことは、母子関係が大変密接になったこと。もちろん、母子関係はとても大切な基盤です。しかし、母親が絶えず側にいて、子どもの欲求を満たしてしまうと、子どもは母親との間で心地よく過ごせますが、他人と関わる力が育ちにくくなります。「早いうちから他の子どもと接する機会を意識的に持つ」ことが大切です。3歳児神話(子どもは3歳までは常時家庭において母親の手で育てないと、子どものその後の成長に悪影響を及ぼすという言説)を信じて、母親1人で子どもを丁寧に育てようと孤軍奮闘すると、お母さん達は疲弊してしまいます。そういう意味でも、最近では、短時間のパート勤めでも始めて早期に保育園などの集団生活を始めるように勧める小児科医も出てきています。母以外の大人や同年代の子どもの刺激に触れ、自宅以外の違う環境に放り込まれても適応できる力をつけていくことは大切です。

■育児不安を和らげるポイント!
 子どもは自分の思い通りに動いてくれるロボットではありません。年齢が上がるにつれ、自我をしっかり持ち主張してきます。母は、家事をしたり、仕事をしたりと日々時間に追われています。そんな状況で、落ち着いて向き合ってと言われても正直難しいというのは当然です。つい、怒鳴るなどイライラして対応してしまいます。そんな時は、父親やママ友などに「こんなに辛いの」と聞いてもらえる環境があることは大切です。悩んだり不安になったら「助け」を求め、誰かの力を借りることをためらわないで欲しいと思います。

最近、育児に関する書籍を読むことが増えました。今回は、2006年に発行されたやや古めの書籍ではありましたが、NHK「すくすく子育て」でもお馴染みの汐見稔幸先生など教育界で著名な先生方がまとめられた文章は昨今でも十分に通じる内容だと思いました。ここでも「完璧母」ではなく「60点母」が目指せれば良いなと思います。そのように考えると、少し気が楽になりますから…。


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