今回は、イギリス人言語聴覚士のサリー・ウォードさんが、子どもの言語能力&知能を確実に伸ばす方法として提唱している「語りかけ育児」についてのご紹介です。「語りかけ育児」は画期的で分かりやすく、その効果も立証されており、イギリス政府も推奨しているほどです。0〜4歳児を対象とする「語りかけ育児の五原則」をお知らせしたいと思います。
1.毎日30分間子どもと向き合う
心を通わせる相手が毎日必ずいてくれることは、情緒面・行動面の発達にとても大切です。できれば、子ども一人一人に30分ずつ寄り添える時間があると理想です。まとめて30分が難しい時10分をバラバラに3回などでも効果があるようです。ただし、遅くまで働いているお父さん・お母さんは、毎日30分じっくり関わる時間を確保するのって、なかなか難しかいですよね。そんな場合は寝る前の10分からでも良いので、少しずつ始めてみるといいかもしれません。
2.周りは静かに
「聞く力」と「注意を向ける力」を育てるには、1人の大人の話かけに耳を澄まし、ことばをはっきり聞く機会がたくさん必要です。テレビもラジオも音楽もオフにして、気が散らすことがない環境で、やりとりを楽しみましょう。
3.短文で、言葉の間にゆっくり休みを入れて話しかける
一方的に話しかけるのではなく、合間をあけてゆっくり話しかけてあげましょう。声は大きく高めにはっきりと。子どもの言いたいことを代わりに言ってあげたり、話を膨らましてあげましょう。擬態語、擬声語、表情、仕草、繰り返しや身振りも合わせ、聞くことを楽しめるようにしていきましょう。また、代名詞はなるべく避け具体的なことばを使うのもポイントです。
4.子どもが主役
この時間の主役は、あくまでも子ども。大人が覚えさせたい事を無理強いして教えこもうとしないこと。子どもの視線や意識を追い、子どもの興味に大人が合わせましょう。自分が注意しているものに、大人が合わせてくれると、「大好きな人が自分と同じものに本当に興味を持ってくれた」と子どもも喜びます。例え、子どもの注意がどんどん逸れてしまったとしても、子どもの注意が惹かれる方へと、私たち大人も合わせてあげましょう!
5.否定は厳禁!
「聞くことや話すことは楽しい!」と感じてもらえるようになってほしいので、この時間は「ダメ」は封印します。予め触られたくないものは、片付けるなどして、好きなように動けるようにしてあげましょう。子どもの話し方や発音もなおしてはいけません。答えさせる為の質問や否定的な言葉もなるべく避けましょう。
終わりに
今回ご紹介させていただいたのは、「語りかけ育児」のコミック版です。文字だらけではなく、マンガがメインで構成されていて、月齢ごとのオススメの遊び方も書かれており、とても読みやすい1冊でした。ただ、実践されていく中で、本当にこの関わりが良いものなのか?不安になることもあるかと思います。そのような時こそ、発達をよく知る専門家に、ご相談くださいね。
参考図書「0〜4歳 わが子の発達に合わせた語りかけ育児」著者:サリー・ウォード、監修:中川信子
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