発音不明瞭でご相談に来られるお子様の中には、キ・シ・チ・リなどの「い列」の音が上手く発音できないという方が、たまにいらっしゃいます。この場合「側音化構音」という発音の誤りが原因であることが多いです。本来、発音する際には、舌の真ん中から呼気を出してお喋りしますが、このタイプのお子様は、特に「い列」の音を出そうとすると、母音の「い」の時点で、舌がどちらかの口角によってしまい、音が歪んでしまう傾向があります。ですから、発音する際に、鏡などを持たせて、舌の位置をしっかり意識して頂く必要があります。それ以前に、舌の先端がひょろ〜っと細長いお子様もいらっしゃることがあるので、舌トレで舌を鍛えてもらう練習もオススメです。
<治し方のコツ>
① 鏡を見ながら、舌を真っ直ぐな状態に保ち、クリアな「い」の発音練習を行う。お化粧直しに使うようなコンパクトな手鏡を顎のあたりに置いて、口から出る呼気が正面から出ているかをチェックする。
②「舌トレ」でベロがしっかりしてきたら、「し」の音にチャレンジ。人差し指も使って、静かに!の「しー」だよと伝えると、それらしい音が出やすいこともある。また、鏡で2人並んで、舌の使い方の見本を示し、真似るようにトライしてもらう。①同様に、鏡を用いて真ん中から呼気が出ているかのチェックする。
③ 小さな「っ」と大きな「い」を素早く言いながら誘導する方法もある。その際、数回ではなく、何回も連続して言わせるとそれらしい音が聞かれやすくなる傾向あり。ただし、あまりスピードを誘導し過ぎると、「トゥイ」のような発音にもなりやすいので、注意が必要。また、鏡を見ながら、舌尖を残しつつ小さな「っ」と大きな「い」を誘導すると、かなり良い音が出せる。
④ 「ち」は、舌をしっかり上顎につけてストップさせておいてから、勢いよく「し」と組み合わせて出す場合。それとは別に、ベロを出させたまま「ぴ」の音をまず発音させて、その後上唇を使わずに「ぴ」と言ってと誘導する場合があり、上記のような方法で、それらしい音が出せることがある。
いずれにしても、このタイプの発音の誤りを改善するのは、なかなか難しいので、お近くの専門機関にご相談されることをオススメします!
コメント