以前、「AI vs 教科書が読めない子どもたち」の記事を書かせて頂きました。
著者である新井紀子さんには、その後「どうすれば、子どもたちが正しく教科書を読めるようになるのか?」というお問い合わせが、多く寄せられたそうです。
その問い合わせに応えるべく、まとめられたのが、本書です。
今回は、そのポイントを私なりにまとめてご紹介させて頂きます。
リーディングスキル(読解力)とは?
「読める」とは、
ひらがな・カタカナ・漢字の音読ができるだけでは不十分です。
語彙力があり、文法を理解できないと、正しく読むことが出来ないのです。
リーディングスキルを上げる取り組み
◎高学年でのBや2Bの鉛筆を勧めない
⇨鉛筆の先がすぐに丸くなり、授業のノートを書き切る事が難しくなるから
⇨書く量が減ってしまうから
◎予め整えられている筆算ドリルやデジタルドリルを使い過ぎてはいけない
⇨低学年の際に、方法を学ぶために活用するのはOK。
⇨使いすぎると、10の位や100の位など、桁を揃える事が十分に出来なくなるから。
◎新しい言葉を習ったら、「○○ということ」と言わせ、文章に使ってみよう
⇨そうすることで、定義を認識し、かっこいい文章の使い方を認識するから。
◎板書をリアルタイムでなるべく早く正確に写せるようにすること
⇨正しく板書出来ていないのは、語彙の認識不足・漢字の把握不足などが考えられる。
⇨板書時間がもったいないと穴埋め式プリントばかり活用していると、
キーワードだけを覚える事になりやすい。この方略だとAIと記憶が得意なAIには負けてしまうから。
幼児期に大切なポイント
① 身近な大人同士の会話を聞く機会を増やすこと
② 絵本を、繰り返し読み聞かせること
③ 信頼できる大人に自分は守られているという実感がもてること
④ ネットばかりでなく、料理ごっこやお掃除ごっこなど、日常生活に結びついた遊びをすること
⑤ 支払いの時は、なるべく現金を使い、実体験を得ること
⑥ 子どもが関心あるものに、10分は集中できる環境を作ること
などが紹介されていました。
未来の子どもたちの為の構想
★ 全ての子どもたちは、0歳から保育園に通う権利を持つ
★ 全ての小学生が、学童保育に通える権利を持つ
『0歳から保育』は、新井紀子先生だけでなく、
社会学者の古市憲寿氏も自身の著書「保育園義務教育化」に記していますし、
教育学者の汐見稔幸先生も同様に勧められています。
ネットから切り離された空間で、乳幼児期から母語のシャワーをたくさん浴びて、
歩いたり走ったり、しっかり体を使って活動する体験が大切なのです。
大人は「喧嘩がダメなもの」だと思い込まれている方も多いようです。
しかし、本来は、同年代の子どもと喧嘩したり、仲直りしたりする体験を、積み重ねていくことで
言葉の使い方や対人スキルを学ぶことができるのです。
最後に
文章を焦らず丁寧に正確に読む事。
自分が理解した内容を頭の中で整理する事。
それらを相手にわかりやすく伝える事。
これらを繰り返すうちに、読解力もアウトプット力も高まるそうです。
私は面倒臭がりで、じっくり文章に向き合う事が得意ではありません。
そんな時は、「超・勉強力」にも記されていますが、複数回読みを
サラッと行い、まずは文章に慣れる事から入るのが良いのかもしれません。
最後まで、お読み頂きありがとうございました。
引用文献「AIに負けない子どもを育てる」、著者:新井紀子
〜こみゅばんばん〜
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