『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』

発達関連

 この書籍は、自閉症で会話が困難な当事者の東田さんが13歳の時(2007年2月28日発行)に記したものです。会話のできない中学生が、謎だらけの自閉の世界観をつづっています。東田さんと同じように、言葉でうまく伝えられない特性を持つ子どもたちや保護者の方々の一助になればという思いで、まとめられた1冊です。言葉、対人関係、感覚の違い、興味関心、活動の5章からなる内容について分かりやすく質問応答形式で紹介されています。今回は、印象的な部分をいくつかご紹介し、皆さんと自閉症の世界観を共有したいと思います。

第1章 言葉について

Q どうして質問された言葉を繰り返すの?

→僕らはよくオウム返しをします。質問されたことに答えるのではなく、質問と同じ言葉を繰り返すのです。質問を繰り返すことによって、相手の言っていることを場面として起こそうとするのです。場面として頭に浮かばないと答えられません。
〜中略〜
会話はすごく大変です。気持ちを分かってもらうために、僕は知らない外国語を使って会話しなくてはいけないような毎日なのです。

「自閉症の僕が跳びはねる理由」

第3章 感覚の違いについて

Q 跳びはねるのはなぜ?

→僕は飛び跳ねている時、気持ちは空に向かっています。空に吸い込まれてしまいたい思いが、僕の心を揺さぶるのです。跳んでいる自分の足、叩いている時の手、自分の体の部分がよく分かるから気持ち良いことも跳びはねる理由の一つです。最近、もう一つわかったことがあります。それは
体が悲しいことや嬉しいことに反応することです。
〜中略〜
跳べば体が軽くなります。空に向かって体が揺れ動くのは、そのまま鳥になって、どこか遠くへ飛んで行きたい気持ちになるからだと思います。

「自閉症の僕が跳びはねる理由」

「自閉症の僕が跳びはねる理由」の動画視聴

 海外においても共感を呼んだこの書籍は、世界30カ国以上に翻訳されています。そして、2020年には、自閉症の世界観を驚きと感動の体感ドキュメンタリーとして映画化されていました!その動画を観たくてたまらなくなった私は、U-NEXTという動画視聴サービスをクリックしちゃいました。
 実際に映画を観た率直な感想は、本よりも何倍も自閉症の世界観を共有できたように感じられました。世界に存在する自閉症児者本人やご家族の映像は、私の心に突き刺さりました。もっともっと、自閉症の世界観を知って歩みよりたいと思えた素晴らしい映画でした。自閉症児者に関わる全ての方に観てもらいたいです。というわけで、「自閉症の僕が跳びはねる理由」にまつわる映画を観てみたいと思われた方は、こちらをクリックもしくはタップして登録をどうぞ。ちなみに、今なら1ヶ月間無料のトライアルでお試し視聴できるようです。
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僕が跳びはねる理由

最後に

 彼らの行動は、一見不思議に見えるかもしれませんが、スッキリする✨、気持ちいいなどの感覚の捉えがあるようです。そういったことからも、不思議だからやめさせるではなく、本人のニーズに合わせ、対応していきたいものです。佐々木正美先生も「不適応行動とは、彼らがおこしているのではなく、支援する側が彼らに適応できていないからおこるのです。」とおっしゃられています。何かがうまくいかないなぁと感じる時は、その出来事をメモして、原因を探ってみましょう!

いかがでしたでしょうか?全ての自閉症のお子さんに当てはまるわけではないかと思いますが、やはり当事者の語りは、参考になります。

私たち大多数である一般人の考えや意見を押し付けず、彼らの世界と歩み寄りながら、共存していけると良いですね。

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