就学相談の仕組み

学校・進路

 今回は、就学相談についてのお知らせです。そもそも「就学相談」とは、発達に特性(発達がゆっくり、耳が聞こえづらい、体に不自由があるなど)をお持ちのお子さんが、どのような環境下で学習を進めていくことが最大限の学びにつなげていけそうかを、相談・決定する仕組みのことです。面談の際には、知能検査の他に、保育園や幼稚園・事業所や学校などの資料をもとに、親御さんの意向も伺いながら、適切な就学環境を決めていくことになっています。基本的な選択肢としては、①通常学級、②特別支援学級、③特別支援学校の3つとなります。以下が3つの進路の違いについての説明です。

通常学級35〜40人に先生1人で、人数が多く1人1人に合わせた手厚いサポートは難しい。

特別支援学級8人に先生1人の少人数クラスで、子どもの課題や現状に即し、個別の学習支援が受けられる。特別支援学級は、知的障害/自閉症・情緒障害/難聴という3つの障害種別に分かれている。
・知 的→知的発達に遅れのある子どもたちの為の学級
・自閉症・情緒障害→情緒や行動の不安定な子どもたちの為の学級
・難 聴→耳の聞こえの不自由な子どもたちの為の学級


特別支援学校(単一)6人に先生1人で、より手厚い支援が受けられる。
特別支援学校(重複)3人に先生1人で、より手厚い支援が受けられる。

 年長までの幼稚園・保育園生活で、ある程度集団活動にのれていて大丈夫そうに思える子どもさんでも、知的に境界域(知能検査のIQ70〜84)の場合、いざ学校で学習が始まるとついていけなくなることがあります。励ましの意味も込めて「大丈夫よ!」とお声かけされる先生もいらっしゃいますが、その声かけはグッと我慢して判定結果を仰ぎ、最終的に親御さんが考えて、決めていただくことが一番すっきりしやすいです。ちなみに、北九州の就学相談については、こちらの「おしえて就学相談」をクリックしてご確認ください。申し込みは就学前の年長の春から6月末くらいまでとなっており、基本は所属集団となる幼稚園や保育園もしくは発達支援センターなどを通じてのお申し込みとなっています。夏前から順次相談会が開かれ就学先の通知が1〜2ヶ月後に来ます。基本は6月末くらいまでの申し込みとなっていますが、12月くらいまで実施しているので、正確な情報が必要な方は、各自治体の特別支援教育センターにお問い合わせください。

追加情報

②特別支援学級の他に「通級指導教室」を利用して支援を受けられるお子さんもいらっしゃいます。
①の通常学級に在籍しながら、言語・聴覚・視覚・情緒に軽度の障害のあるお子さんや、LD・ADHDの診断を受けているお子さんなどに対し、特性に合わせた個別指導を行う教室です。主に各教科の学習や給食などはクラスのみんなと過ごし、週に何時間かは通常学級の授業を抜けて通級で支援・指導を受ける事になります。通級がお子さんの通われる小学校にある事は少なく、保護者が決められた時間に子どもを迎えに行って、個別支援を受けることが多いです。この通級の利用に関しても、希望したい意向を伝えればすぐに利用できるという事ではなく、通級相談事業にお申し込み頂き指導対象としての条件が認められれば利用できることとなります。北九州の場合、相談会も9月〜11月と期間が短めなのでご案内される利用者の方がいらっしゃる場合は、早めにお知らせ頂く方が懸命です。私自身、就学相談や通級について尋ねられることが多かったので、まとめてみました。参考にして頂けると幸いです。

参照)「北九州市の特別支援教育、特別支援教育相談センターの役割と取組」
   「療育が全部わかる本」著者:言語聴覚士 原哲也

〜こみゅばんばん〜

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